多額の借金を抱えていて毎月の返済が追いつかず、苦しんでいる人は多いのではないでしょうか。
膨れ上がった借金を完済したい場合は、弁護士または司法書士に依頼して債務整理をするのもひとつの手段です。
債務整理はアディーレ法律事務所のCMなどで頻繁に宣伝されていますが、どのように救済してもらえるのかわからない人もいますよね。
ここでは、返済が苦しいあなたのために債務整理とは何か初心者にもわかりやすく解説していきます。
債務整理には5つの種類があり、借金を減額できる幅や向いている人が異なります。
- 過払い金請求
- 任意整理
- 特定調停
- 個人再生(民事再生)
- 自己破産
債務整理をすると借金を大幅に減額してもらえますが、反対に返済期間が短くなったり信用情報に傷がついたりといったデメリットがあるのも事実です。
- 信用情報に傷がつく
- 返済期間が強制的に3年になる
- 弁護士費用が高い場合がある
むやみに債務整理をすると、今後の生活に支障が出てしまいますので注意してください。
この記事でわかること
- 債務整理は借金の返済が苦しい人を救済するための手続き
- 長年返済を続けている人は過払金請求で払いすぎたお金が戻ってくる
- 任意整理なら増えすぎた利息をなしにしてもらえる
- 自己破産をすると現在の借金をなかったことにできる
- 住宅ローンや新規の借り入れは審査に通らなくなるため注意
債務整理とは借金の減額または返済義務が免除される法的な手続きのこと
債務整理とは、借金の減額や返済の義務を免除してもらえる法的な手続きのことです。
多重債務に悩む人や完済できない人を法律によって救済し、借金の苦しみから解放する目的があります。
債務整理を受け持っているのは弁護士や司法書士で、依頼すると悩みに寄り添って借金問題を解決に導いてもらえます。
ただし債務整理には借金額や借りている期間によって向き不向きがありますので、誰でも借金問題を解決できるわけではありません。
債務整理は5種類に分類されており、借金の総額や借りている期間などによって対象となる手続きが異なります。
債務整理の種類と向いている人は、以下で表にまとめてありますので参考にしてください。
種類 | 向いている人 |
---|---|
過払い金請求 | 10年以上返済を続けている人 |
任意整理 | 利息が増えすぎてしまった人 |
特定調停 | 弁護士費用を抑えたい人 |
個人再生(民事再生) | 借金を大幅に減額してほしい人 |
自己破産 | 全ての負債において返済できない人 |
債務整理は様々な借金の悩みを解決できる一方で、生活が制限されるリスクがあります。
デメリットについては後述で解説しますが、悪い面を理解したうえで債務整理をするべきかよく考えてから依頼するのが賢明です。
例えば生活サポート基金では、多額の債務を抱えている人のための相談カウンターを設置しています。
借金問題のプロが債務整理をしなくても解決できる方法を教えてくれますので、相談してみてはいかがでしょうか。
生活サポート基金についてもっと知りたい人は、以下を合わせてご覧ください。
債務整理の種類について、詳しく解説していきます。
過払い金請求をすれば貸金業者に支払いすぎたお金を取り戻せる
過払金請求とは、貸金業者に支払いすぎたお金を法的に取り戻せる手続きのことです。
出資法が改正される2010年6月18日以前に、貸金業者からグレーゾーン金利でお金を借りていた人が対象となります。
グレーゾーン金利って?
貸金業者が法律の抜け穴を利用して設定していた金利のこと。
当時の金利は20%〜29.1%で、2010年6月18日以前の出資法では29.2%で取引をしない限り刑罰がなかったことから高利の設定が頻発していた。
出資法は改正によって上限金利を20.0%に引き下げており、現在では大半の貸金業者が法的金利を遵守しています。
そのため、2010年6月17日より前から債務を抱えている人はグレーゾーン金利が適用されている場合がほとんどです。
グレーゾーン金利での貸付は貸金業者の一方的な利益になるため、過払い金請求の対象となります。
グレーゾーン金利を適用して徴収した利息の返還義務については、民法703条でも以下のように定められています。
法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。
引用元: 電子政府の総合窓口(e-Gov) 民法
つまり、利息制限法の範囲を超えて支払った利息は返してもらえるということです。
過払い金請求では、超過して支払っていた金額に対して年率5%の金利を加算して返還請求できます。
借金総額によっては200万円以上を返還してもらえたケースもありますので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
完済してから10年以内は返還請求が可能
すでに借金を完済している人でも、10年以内であれば過払い金の返還請求ができます。
過払い金請求は法的な権利であり、時効となる10年後までは保障されるからです。
権利の時効については、独立行政法人国民生活センターの公式ホームページでも記載されています。
民法上の債権の消滅時効は、その権利を行使することができる時から10年です。
つまり、完済している人でも10年間は払いすぎたお金を取り戻せるということです。
完済している債務の過払い金請求は弁護士の着手金が無料になるケースもありますので、心当たりがある人は弁護士事務所または司法書士事務所で相談してみましょう。
任意整理をすると返済の負担が軽くなる!利息がなしになるケースもある
任意整理は、弁護士や司法書士が貸金業者に交渉することで借金の減額をしてもらえる手続きです。
裁判所を通さずに交渉するため、貸付側に要求する内容を自由に決められます。
弁護士や司法書士の交渉次第にはなりますが、返済期限の延長や今後の利息をなしにできるケースもあります。
任意整理で交渉してもらえる内容は、以下の例を参考にしてください。
- 今後の利息をなしにする
- 遅延損害金をなしにする
- 返済方法を長期分割払いにする
- 毎月の返済額を減額する
任意整理では、返済の負担を軽減させるために最善の交渉をしてもらえます。
ただしあくまでも話し合いが中心であり、交渉次第では借金を減額できない可能性もありますので注意が必要です。
貸金業者に承諾してもらわなければ任意整理はできない
弁護士や司法書士が交渉しても、貸金業者が応じない場合は任意整理できないケースがあります。
任意整理は話し合いで借金問題を解決する手続きであり、法律によって強制的に借金の減額を命じることができないからです。
交渉の拒否は自由となっており、任意整理に応じるかどうかは貸金業者の判断次第となります。
大手消費者金融であれば利用者の救済に前向きですが、中小企業は利益に貪欲な一面があるため交渉を拒否されることも少なくありません。
無職で返済が止まっている場合は、交渉が長引くほど相手側から裁判を起こされる可能性があるため危険です。
交渉をスムーズに進めるためには、シフト表や給料明細などといった収入が証明できる書類を提出して信頼度の高い返済計画を立てるのがベストといえます。
身体的な都合によりどうしても働けない場合は、国の制度を利用してお金をもらうのもひとつの手段です。
例えば障害年金なら体に障害がある人の他に、怪我やうつ病と診断された人でも国からお金をもらえます。
障害年金でもらえる金額や受給するための条件について詳しく知りたい人は、下記も合わせてご覧ください。
任意整理や過払い金請求によって返済の負担を軽減させたいものの、弁護士や司法書士に支払う費用が気になる人もいるのではないでしょうか。
任意整理をした場合の費用は減額できた借金額にもよりますが、最低でも20〜30万円はかかってしまいます。
なるべく費用を抑えたい人は、弁護士や司法書士に依頼する必要がない特定調停を選んだほうがいいかもしれません。
特定調停は自分で裁判所に申し立てする手続き|相手が違法業者なら有利
特定調停は債務者が自ら裁判所に申し立てて、借金の減額または返済期間の延長を求める手続きです。
判断は調停委員会がおこなっており、利息の引き直し計算をおこなったうえで債務者および貸付側からの意見に基づいて決議されます。
調停委員会とは?
裁判官と弁護士免許を持った民間人の中から選定された調停委員で構成された組織体。
話し合いで決定する面では任意整理と変わりませんが、特定調停は裁判所を介するため公平な判断をしてもらえるのが特徴です。
特定調停の公平性ついては、裁判所の公式ホームページにも記載されています。
特定調停で成立した合意の内容は,実質的に公平で,法律などに違反するものでなく,債務者の生活や事業の建て直しのために適切なものであって,しかも,そのような内容の合意をすることが当事者双方にとって経済的に合理的なものとなります。
引用元: 裁判所|特定調停とはどのような手続なの?
つまり、貸付側が違法業者の場合は債務者のほうが有利になるということです。
有利な判断をしてもらえるといっても、違法業者に不利益を与えると取り立てや嫌がらせが過度になるのではないかと不安になりますよね。
特定調停の手続き後は、取り立ておよび給料の差し押さえなどといった債務者の生活を脅かす行為が一切禁止されますので安心してください。
特定調停のもうひとつの特徴としては、低額の費用で手続きできることが挙げられます。
着手金や報酬金は不要!費用が最も抑えられる
特定調停は弁護士や司法書士に依頼する必要がなく、着手金や報酬金などといった支払いがないため費用が低額です。
必要な費用は収入印紙代と郵便切手代のみで、1社あたり1,000円程度で手続きできますので出費が抑えられます。
特別調停の費用については、裁判所の公式ホームページにも記載されていますので参考にしてください。
特定調停の申立てに必要な費用は,申立手数料(収入印紙)と裁判所からの郵便物発送のために使用する手続費用(郵便切手)が必要です。
相手方1人(社)について500円分の収入印紙が必要です。
相手方(債権者)1人(1社)につき,430円分(84円切手5枚,10円切手1枚)が必要です。引用元: 裁判所|特定調停申立てQ&A
つまり、消費者金融5社分の手続きをしても5,000円以下で債務整理できるということです。
過払い金請求や任意整理は借り入れ件数が多いほど費用が高くなりますので、出費を抑えたい人は特定調停が最適といえます。
ただし特定調停は自分で裁判所に申し立てをする手続きのため、弁護士や司法書士に助言してもらうことはできません。
借金の減額や返済期間の延長などといった内容を自分の都合に合わせるには、法律の知識をある程度つけておく必要があります。
そのため、自分で交渉するのが難しいと感じる人は強制的に借金を減額してもらえる手続きを選びましょう。
個人再生(民事再生)は裁判手続きで強制的に負債が軽くなる
個人再生(民事再生)とは、裁判手続きによって強制的に借金額を減額してもらえる手続きのことです。
裁判所に再生計画を提出し、認可されると借金額を最大10分の1まで減額してもらえます。
再生計画とは?
民事再生法に基づいて作成した返済計画のこと。
毎月の返済額や金銭を拠出するための活動を報告する目的がある。
個人再生(民事再生)は住宅ローン特別条項が適用されるため、他の債務よりも住宅ローンを優先して返済できるのが特徴です。
そのため自己破産とは異なり、住居を保有したまま債務を大幅に減額してもらえます。
個人再生(民事再生)には小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があり、手続きするための条件や減額できる範囲が異なります。
個人再生(民事再生)の種類については、以下で解説していきますので参考にしてください。
小規模個人再生は借金を最大10分の1にしてもらえる
小規模個人再生は、個人の借金を最大10分の1まで減額してもらえる手続きです。
5,000万円以下の借金があり、将来的に返済不能になる可能性が高い人が対象となります。
小規模個人再生で借金を減額できる幅は、債務額によって以下のように異なります。
A 小規模個人再生手続の場合
およその目安として,借金などの総額(住宅ローンを除く)に応じて、借金などの総額が
100万円未満の人・・・・・・総額全部
100万円以上500万円以下の人・・・・・・100万円
500万円を超え1500万円以下の人・・・・・・総額の5分の1
1500万円を超え3000万円以下の人・・・・・・300万円
3000万円を超え5000万円以下の人・・・・・・総額の10分の1引用元: 裁判所|個人再生手続利用にあたって
つまり、5,000万円の債務がある場合は500万円に減額されるということです。
小規模個人再生はこのように減額の幅が広いのが利点ですが、手続きをするには以下の条件をクリアしている必要があります。
- 住宅ローンを除く借金の総額が5,000万円以下であること
- 継続的に収入を得る見込みがあること
- 個人の債務者であること
条件をクリアしている場合は、小規模個人再生で借金を大幅に減額してもらえます。
しかし小規模個人再生では貸金業者の拒否権が認められるため、同意が得られなかった人は給与所得再生で手続きする流れとなります。
給与所得者等再生は強制的に減額してもらえる
給与所得者等再生は小規模個人再生に比べて減額の幅は劣るものの、貸金業者の意思に関係なく強制的に減額してもらえる手続きです。
減額される借金額は、小規模個人再生を利用した場合の最低弁済額または法定可処分所得2年分を比較して高額な金額となるほうが適用されます。
法定化処分所得とは?
自分の収入から税金や最低生活費を差し引いた金額のこと。
例えば小規模個人再生を利用した場合の最低弁済額が300万円で法定化処分所得2年分が150万円だった場合、300万円まで減額してもらえます。
ただし、給与所得者等再生は小規模個人再生よりも条件が厳しいため注意をしてください。
給与所得者等再生を利用する条件は、以下のとおりです。
- 住宅ローンを除く借金の総額が5,000万円以下であること
- 継続的に収入を得る見込みがあること
- 個人の債務者であること
- 毎月の収入額の変動が少ないこと
- 継続的に収入を得られること
給与所得者等再生は安定した収入が重要となるため、毎月の給料が保証されていない人や個人事業主は対象外となります。
個人再生(民事再生)の他に任意整理や特定調停を試しても借金を減額してもらえない場合は、自己破産に踏み切りましょう。
自己破産はすべての借金をなしにできる!返済できない人の最終手段
自己破産はすべての債務が返済できなくなった場合に所有している財産を清算して、残った借金を免除してもらう手続きです。
破産申立書を裁判所へ提出し、裁判官に支払い不能であると判断された人が免責許可の対象となります。
支払い不能ってどんな状態?
支払い不能であると判断されるのは、将来的な収入や現在の資産を合算した総額よりも借金額が多く返済を続けても完済できない場合です。
支払い不能と判断される基準については、消費者庁の公式ホームページにも記載されています。
支払能力とは… 弁済能力の欠乏は、財産、信用あるいは労務による収入のいずれをとっても、債務を 支払う能力がないことを意味する。(東京高裁昭33年7月5日決定)。たとえ、財産が あっても、その換価が困難であれば、支払い不能とされるし、逆に財産がなくとも、信用 や収入にもとづく弁済能力があれば、支払不能とはされない。
一般的とは… 総債務の弁済について債務者の資力が不足しているという意味である。
継続的とは… 一時的な手元不如意を排除する趣旨である。引用元: 消費者庁公式HP 破産手続きについて
つまり、債務額があまりにも増えすぎてしまった人は債務整理によって借金を免除してもらえるということです。
支払い不能と判断されても、借金が多額になった原因がギャンブルの場合は免責許可が下りませんので注意してください。
免責許可を得られた人は、非免責債権として破産法253条1項で定められている税金を除くすべての債務が免除されます。
責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)
二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権引用元: 電子政府の総合窓口e-Gov 破産法
とはいえ、自己破産するとすべての財産が奪われると思っている人も多いのではないでしょうか。
自己破産をしても、20万円以下であれば自分が所有する預貯金などを保持できます。
家族への影響はなく、保証人になっていない限り債務者以外の財産は保証されます。
ただし自己破産した人は金銭的な信用を失うことから資格制限の対象となり、警備員や建設業などの職業に就けなくなってしまうため注意が必要です。
自己破産における資格制限の対象となる職業は、以下を参考にしてください。
- 卸売業者
- 貸金業者
- 教育委員会委員
- 行政書士
- 建築士事務所開設者
- 建築業
- 警備員
- 旅行業務取扱主任者
- 遺言執行人
- 補助人
- 保佐人
- 弁護士
- 弁理士
- 不動産鑑定士
- 廃棄物処理業者
- 中小企業診断士
- 税理士
- 宅地建物取扱主任者
- 損害保険代理店
- 生命保険募集人など
自己破産における資格制限の他にも、債務整理にはデメリットがあります。
債務整理はデメリットが多くてハイリスク!じっくり検討して決めるべき
債務整理は多額に膨れ上がった借金を返済する苦しみから解放される代わりに、デメリットが多いのが特徴です。
どのデメリットも今後の生活に影響を及ぼす可能性があり、非常にハイリスクなためじっくり検討しましょう。
債務整理のデメリットは、以下のとおりです。
- 信用情報に傷がつく
- 3年以内に完済が義務付けられるケースがある
- 費用が高すぎる
管理人の経験では、債務整理をしたからといって必ずしも借金から解放されるというわけではありません。
それぞれのデメリットについて、以下で解説していきます。
信用情報に傷がつくから新たな借り入れや住宅ローンの審査に通らない
債務整理をすると信用情報に傷がついてしまうため、新たな借り入れをする際や住宅ローンなどの審査に通過できなくなります。
信用情報に傷がある人は完済できない可能性があり、金融機関からの信用度が低いからです。
信用情報とは?
借り入れ金額や件数、債務整理などといった状況などが5年分記録されている個人情報のこと。
JICC(日本信用情報機構)やCIC(指定信用情報機関)が情報を管理しており、金融機関は自由に閲覧できる。
金融業界では、支払いの遅延や債務整理の記録がある状態のことを信用情報に傷があるといいます。
特に債務整理の記録がある人は借金の踏み倒しをしたという悪い印象を与えてしまいますので、正当な理由があっても審査落ちとなるケースがほとんどです。
借り入れや住宅ローンだけではなくクレジットカードの新規発行などもできなくなってしまうため、将来が長い40代以下の人には向いていません。
長い目で見て考えるなら、現在の債務を他の金融機関で借り換えて返済の負担を軽減させるのもひとつの手段です。
例えば消費者金融や銀行が展開している借り換えローンなら、現在の借り入れで設定されている金利よりも低くしてもらえるうえに返済先も1社にまとめられます。
借り換えローンで返済を楽にする方法については、下記で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
強制的に返済期間が3年になるから借金額が多い人ほど苦しくなる
債務整理をすると、自己破産でない限り強制的に返済期間を3年に設定されます。
残った債務を分割して支払うとはいえ期間内の完済が義務付けられるため、借金額が多く残った人ほど毎月の返済が困難です。
毎月の返済額は、以下でシミュレーションしていますので参考にしてください。
減額後の債務額 | 毎月の返済額 |
---|---|
1,000,000円 | 約28,000円 |
3,000,000円 | 約84,000円 |
5,000,000円 | 約140,000円 |
10,000,000円 | 約280,000円 |
債務整理で借金が残った場合、金額によっては毎月の返済額が30万円になるケースもあります。
借金をどれだけ減額してもらえるかは交渉次第になりますが、弁護士や司法書士も人間ですので当たり外れがあるのも事実です。
それでも債務整理をしたい人は、国からお金をもらって収入を増やすほうがいいかもしれません。
例えば働けない人や家族から支援してもらえない人は、生活保護を受給できる場合があります。
生活保護を受給する条件については、以下で詳しく解説していますので参考にしてください。
依頼する弁護士事務所によっては費用が高すぎて払えないケースがある
債務整理の費用は弁護士事務所によって異なるため、依頼する場所によっては報酬金が高すぎて払えない場合があります。
着手金は日本司法書士連合会や日本弁護士連合会によって40,000〜80,000円程度と定められていますが、報酬金の設定は自由となっているからです。
着手金とは?
自分の案件を弁護士に対応してもらうための初期費用。
成果に関係なく請求される。
報酬金とは?
案件の成果によって発生する弁護士費用。
交渉が成立したり、借金が減額できたりなどといった依頼主が有利になる成果となった場合に支払う。
例えば減額した借金額の1割を報酬金として設定している弁護士事務所もあれば、30%以上を請求されるケースもあります。
減額できた債務額が多いほど報酬金も高くなるため、かえって生活が苦しくなるリスクがあります。
債務整理をする場合は、弁護士事務所の着手金と報酬金を確認してから依頼しましょう。
借金問題を相談できるのはどこ?プロが無料で解決に導いてくれる窓口
前述で債務整理のデメリットについて解説してきましたが、手続きしないほうが良いのではないかと悩む人も多いのではないでしょうか。
借金の相談窓口なら、無料で現在の債務をどうするべきかプロが適切にアドバイスしてくれます。
相談者ごとに最適な借金問題の解決方法を教えてもらえるため、多重債務で苦しんでいる人や債務整理すべきか悩んでいる人にぴったりです。
とはいえ、具体的にどこに相談すれば良いのかわかりませんよね。
借金の悩みごとに最適な窓口を表にまとめましたので、参考にしてください。
悩み | おすすめの相談窓口 | 費用 |
---|---|---|
人に言いづらい、相談しにくい | 市役所などの公的機関 | 無料 |
弁護士に相談したいけど費用が気になる | 日本司法支援センター(法テラス) | 3回まで無料 |
悪徳商法によって借金が増えた | 国民生活センター(消費生活センター) | 無料 |
それぞれの相談窓口について、詳しく解説していきます。
市役所などの公的機関が設けている相談窓口は威圧感がない
市役所や区役所などの公的機関が設けている相談窓口なら、威圧感がないため気軽に相談できます。
公的機関は多重債務者を救済するために相談窓口を設けており、利益を目的としていないからです。
悪徳な法律事務所のように、無理に債務整理を押し付けて報酬金を稼ごうとしたり威圧的な態度で説教したりといったことは一切ありません。
公的機関の相談窓口では、利用者の収入や仕事に合わせて返済計画を立ててもらえます。
国から受給できるお金についても合わせて提案してもらえますので、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
無料で弁護士や司法書士に相談できる日本司法支援センター(法テラス)
日本司法支援センター(法テラス)なら、無料で弁護士や司法書士に借金問題を相談できます。
経済的に余裕がない人を法律によって救済するために、民事法律扶助事業を設けているからです。
民事法律扶助事業とは?
借金などにより生活が苦しい人が、経済的な理由で弁護士に相談できない場合に利用できる制度。無料で法律相談ができ、弁護士費用や裁判費用を立て替えてもらえる。
民事法律扶助事業は弁護士に無料で相談できるうえに、債務整理の費用を立て替えてもらえます。
立て替えてもらった費用は分割で返済でき、1ヶ月あたり10,000円程度の出費となりますので生活費を圧迫しません。
ただし、収入に余裕がある人や日本に在住していない場合は弁護士費用を立て替えてもらえないため注意が必要です。
民事法律扶助事業を利用する条件については、衆議院の公式ホームページにも記載されています。
「民事法律扶助事業」とは、裁判所における民事事件、家事事件又は行政事件に関する手続(以下「民事裁判等手続」という。)において自己の権利を実現するための準備及び追行に必要な費用を支払う資力がない国民若しくは我が国に住所を有し適法に在留する者(以下「国民等」という。)又はその支払により生活に著しい支障を生ずる国民等を援助する次に掲げる業務を行うものをいう。
一 民事裁判等手続の準備及び追行(民事裁判等手続に先立つ和解の交渉で特に必要と認められるものを含む。)のため代理人に支払うべき報酬及びその代理人が行う事務の処理に必要な実費の立替えをすること。引用元: 衆議院公式HP 民事法律扶助法
つまり、金銭的に少しでも余裕がある人は弁護士費用を自分で支払わなくてはいけないということです。
民事法律扶助事業を利用できる場合は手持ちのお金がなくても債務整理できますので、金銭的に余裕がない人に最適といえます。
悪徳商法に関する借金が専門の国民生活センター(消費生活センター)
国民生活センター(消費生活センター)は、出会い系サイトやマルチ商法などといった悪徳商法を中心に相談を受け付けている独立行政法人です。
悪徳商法や適用される法律に詳しいため、騙されて借金をしてしまった場合に適切なアドバイスをしてもらえます。
悪徳商法による借金の相談例については、国民生活センターの公式ホームページに記載されていますので参考にしてください。
質問
友人に誘われて参加した投資セミナーで、投資会社の社員を名乗る男性から「入会金50万円を出せば儲けられる」「人を紹介すれば紹介料が入る」と、投資セミナーへの入会を勧誘されました。お金がないと断りましたが、「借金すればよい」「すぐ返済できる」と言われ、貸金業者から50万円を借金して支払い、入会しました。よく考えると怪しいのでやめたいのですが、キャンセルできますか。回答
特定商取引法の連鎖販売取引に該当する場合、クーリング・オフや中途解約ができます。至急、解決方法についてお近くの消費生活相談窓口に相談しましょう。
悪徳商法によって借金が増えた場合は法律によってお金を取り戻せるケースがあるため、心当たりがある人は国民生活センター(消費生活センター)で相談してみましょう。
あらゆる方法を試しても借金が返済できない人は債務整理をしよう
債務整理は、借金が返済できなくて苦しんでいる人を救済するための手続きです。
借金の減額や返済義務を免除してもらえることにより、債務の負担が軽減されます。
ただし、債務整理をすると新しい借り入れや住宅ローンを組めなくなるなどといったデメリットがあるため注意が必要です。
40代以下の人は今後の生活に影響が出てしまいますので、少しでも返済できる可能性があるなら他の方法を選んだほうがいいかもしれません。
例えば、在職している場合は従業員貸付制度を利用して会社から低金利にお金を借りられます。
社長に事情を伝えれば返済期限を延ばしてもらえるケースもありますので、ぜひ検討してください。